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01話 初めての能力

مؤلف: グラマス
last update تاريخ النشر: 2026-04-02 14:10:39

 10体の魔力体となった彼女達の中身は、淡い青色に光っている。

 5体は軽装鎧を装備し、ロングソードを構えていた。

 5体は魔導服を装備し、両手を構えて魔法陣を展開していた。

 彼女達の体からは、俺の魔力が黒煙となり禍々しさが溢れ出ていた。

 まるで自分達を殺した奴等に復讐をとでも言わんばかりに、目の前の盗賊達を睨みつけている。

「これはアンデッドか? にしてはなんか弱々しい姿だな」

「テメェ、《ネクロマンサー》だったのかよ!」

「こんなの見た事ねえぞ? 普通は死体を操るんだろ?」

 確かにファンタジーゲームでの《ネクロマンサー》と言ったら、魔王軍幹部が最強の死体を操ったりするのだ。

 これはアンデッド?魔力体?霊体?名称はわからないが、戦ってくれるなら何だって構わない。

「俺は《ネクロマンサー》その上位職、魂そのものをアンデッド化させるから《ソウルマンサー》かな?」 

 俺は右手を前に出すと、魔力の騎士達は無言のまま命令に従って突撃攻撃を始める。

「召喚系は本体の魔力供給で強さが変わるからな。生前より弱くなってるじゃねえか……よ!」

「アンデッドは光属性が弱点だが、火にも弱いんだからな。《ファイアボール》」

 1人の盗賊が剣で簡単に受け止めて弾き返し、逆にカウンターを食らって魔力体が破壊されてしまった。

 別の盗賊は構えた魔杖の先から、炎の塊✖︎4を連射して一撃で破壊されてしまったが、完全に消滅したわけではない。

 俺の魔力供給すると破壊された部分が再構築を果たして、元の魔力体に戻るなり、再度攻撃を始めた。

「な、何で破壊されても復活するんだよ!」

「冗談じゃねえぞ、こっちが先に魔力切れしまうぞ!」

「だから言ったろ、俺は《ソウルマンサー》だって」

 俺の隣に並んでいた魔導兵達は魔導陣から、高火力の炎の塊を砲撃として連射する。

 彼女達の魔力+俺の魔力が混ざってるせいか、盗賊が放った炎の塊よりも大きく、高火力で紅蓮色に染まっていた。

「ぐわぁああああ……ッ!」

「助けて、助けてくれ……」

 2人の盗賊に直撃した瞬間爆発してしまい、全身炎上しながら後方の大木に激突して倒れてしまった。

「俺が殺したんだよな……」

 ゲームキャラを殺しても平気だったのに、異世界とはいえ生き延びる為とはいえ、人を殺してしまった事には変わらない。

 今更、罪悪感に襲われても仕方ない。

「何だ、このアンデッドは……ごふっ」

「斬っても、斬ってもキリがねえぞ……ごほっ」

 振り返ると騎士の魔力体達が、残りの盗賊達の全身を滅多刺しにすると、奴等は口から血を吐き出して微動だにしない。

 ロングソードを抜くと壊れたオモチャみたいに、その場でドサッと倒れるだけだった。

「異世界では生きるか死ぬか、殺すか殺されるかの世界ってラノベでは知ってたはずなのにな。知識と体験では全然別モノだな」

 命令もしてないのに彼女達は、盗賊達の死体を俺の前に並べた。

 何が言いたいか分かる、彼等の死体からも残存した魔力が溢れているから、つまりアンデッドに出来るのだろう。

「お前達の力を貸してくれ、解放リベレイション

 盗賊の死体から溢れる魔力と俺の魔力が融合して、死体から出て来たのは……。

「あれ? 君達って明らかに生前と性別違うよね?」

 倒れている死体は無駄に鍛えられた肉体、体毛が濃くて、無精髭のイカついオッサン共だったが、這い上がったアンデッドは美女になっていた。

 しなやかな肉体、引き締まった筋肉を表す腹筋まである。

 俺がアンデッドにすると女性はそのままで、男性は女性になるのか?

 俺の魔力や魂が女だから、繋がった相手も女になってしまうのか?

 分からない事だらけだが、戦力が増える事には変わりない。

 お頭って言ってたからな、ボスはともかく他の手下もいる可能性も考えて、責任持って全員片付けないとな。

 ♢♢♢

 生前死体を引き摺って擦れた血を辿って進んで行くと、開いた場所に通じていた。

 眺めて見たら焚き火の周りに、残りの盗賊団とボスらしき巨漢がモンスターの肉の串焼きを食べている最中だった。

 少し離れた場所には鉄檻の荷馬車があり、中には豪華なドレスを着た可愛い女の子、そして武器・防具を奪われたのか、インナータイツの女性が閉じ込められていた。

 貴族の令嬢?王女様? どちらにせよ 奴隷堕ちさせられる前に助け出さないといけない。あの女性も同じインナータイツって事は、リーダー格なのだろう。

 この場でアンデッドとして呼び出すのは、彼女のメンタル的に見せられない。

 ここは先手必勝!

 最大限の魔法攻撃イメージを思い浮かべる事にした。

 俺の背後に展開された複数の属性魔法陣から、武器創成してそれらを一斉投射する。

 水の槍が焚き火を消して、注意を惹きつける。

「な、何が起きた……うぐぁ!」

「敵だ、敵がいるぞ!……」

 火属性のロングソードが盗賊の背中を突き刺す。

 雷属性の斧がボスと思わしき、巨漢の胴体を貫通させて大木に突き刺す。

 俺の属性魔法の方が威力高いのか、盗賊の魔導兵が展開した防御魔法陣みたいなのも貫通破壊して串刺しにする事が出来た。

 炎の剣、水の剣、雷の剣、土の剣、光の剣、闇の剣。

 多分、これは不意打ちだったから上手くいったのだと思いたい、案外あっさり解決する事が出来て良かった。

 荷馬車の鉄檻にいる2人は両腕を背中に、口には布を入れられて、まともに会話が出来る状態にはなかった。 

「もう大丈夫ですよ、今助けますからね」

 アンデッドの女盗賊にはピッキング能力があるのか、手早く解錠して檻を開けられた。

 やはり護衛対象なのかドレスの女の子に首を横に振って、まずは自分からと目で合図を送って入り口に近づく。

 助けたとはいえ、俺が何者か分からない以上、警戒する事に越した事はないのは仕方ない。

 リーダー格の女性に詰められた布を取り出してあげた。

「俺はクロエ……苗字は無い。敵意はないから安心して欲しい」

 もちろん、そんな可愛い名前ではない。

 ファンタジーゲームで《女性》アバターキャラを使う名前だ。

「助けて頂いて感謝するが、貴女が何者か分からない以上警戒は緩められない。私はローゼリア王国第二王女の専属護衛騎士。エクレール・ヴァンガードだ」

 可愛い名前なのに、凛々しく発音すると全部カッコ良く聞こえるな。

 イエローブロンドのロングヘアー。

 黄色の瞳、綺麗な顔立ち。

 豊満な巨乳、引き締まった肉体美の体型。

 インナータイツのせいで鍛え上げられた、ボディラインがより逞しく見えた。

 背中の縄も解いて上げると、背後に隠れているのは第二王女様は騎士のエクレールが解いた。

「助けて頂きありがとうございます、クロエ様。私はローゼリア王国第二王女。セレスティーナ・ローゼリアと申します。是非! セレナとお呼びください」

 自己紹介してもらったのは良いが、目をキラキラ輝かせる王女様の圧が凄い。

 ブロンドのハーフアップツインテール。

 金色の瞳、可愛い顔立ち。

 これまた巨乳、スリム体型、スラッとした脚だ。

 上質な金と黒のミニスカドレスだが、逃げていたのか土泥や、所々が破れていた。

 軽々しい呼び方したら不敬罪かもしれないが、王女様のお願いだし今だけはそう呼ばせてもらおう。

「俺に様付けはいらないですよ、セレナ様。そろそろ降りましょうか」

「ありがとうございます。呼び捨てでも構わないのに」

 まずは安全確認の為にエクレールの手を取って、外に出して上げた。

「他の護衛達は残念だが、今はセレナ様優先ですので。このまま王城まで護衛をお願いしても良いだろうか?」

「俺で良ければ大丈夫ですよ」

 エクレールは奪われた剣を構えて、周りを警戒し始めた。

「ところで敵は全員・・倒したのか?」

「盗賊団は全員倒しまし……」

 全員という言葉が気がかりで、少しの考え事で油断してしまった。

「まさか、敵は他にもーーッ!?」

 警戒する暇もなく、あっという間だった。

 一度瞬きした瞬間、目の前にいたエクレールの首が刎ね飛ばされて、転がった。

 切断面から大量の血飛沫を噴射しながら、ヒモが切れたみたいに胴体だけが崩れ落ちる。

 は?

 一瞬何が起こったのかも分からない状況に、脳内処理が遅れた。

 数秒前まで会話してた女性の生首が、目の前から消えた。

 噴射した血飛沫が、ベチャリと頬を濡らした。

「いやぁあああああああああああっ‼︎‼︎」

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